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浄土真宗のみ教え

浄土真宗の教えは、阿弥陀如来の本願を信じ、「南無阿弥陀仏」と称えることで、誰もが極楽浄土へ往生できるというものです。阿弥陀如来の救いを疑わず、一心に念仏を称えることが大切にされています。また、自己中心の考えにとらわれず、穏やかな心と言葉を大切にし、むさぼり・怒り・愚かさに流されないしなやかな生き方を心がけます。
悪人ということ

悪人正機とは、「自らの力で迷いを離れることができない人」こそ、阿弥陀如来の救いの対象であるという考え方です。親鸞聖人は、悪人とは善悪の基準ではなく、煩悩を捨てきれず、自己中心的な考えに執着する私たちのことだと説きました。阿弥陀如来は、そんな私たちをこそ救おうと誓われています。しかし、これは悪事を肯定する教えではなく、むしろ自身の煩悩を自覚し、阿弥陀如来の慈悲に委ねることの大切さを示しています。
仏縁と感謝

浄土真宗では、故人を「仏さまと成られた」と受け止め、そのご縁によって仏法に出会うことを大切にします。葬儀は故人を追悼するだけでなく、人生の無常を受け止め、仏縁を深める場とされています。日々の生活の中でも、阿弥陀如来の恵みに感謝し、「いただきます」「ごちそうさま」などの言葉に思いを込めます。また、「報恩講」をはじめとする法要では、阿弥陀如来と親鸞聖人への感謝の心を表します。
極楽浄土と現世

浄土真宗では、現世は苦悩に満ちた世界とされ、極楽浄土はすべての苦しみから解放された安らぎの世界と考えられています。「厭離穢土 欣求浄土(この世を離れ、極楽浄土を願う)」の精神のもと、私たちは阿弥陀如来の誓願により、往生が約束されています。浄土真宗は、浄土宗から派生した宗派であり、輪廻転生を否定し、阿弥陀如来への信心と念仏を中心にした教えを大切にしています。